機械設計ってどんなことするの?CAD使えるだけではだめ?① ~エンジニアの仕事の流れについて 前編~

技術
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どうも!僕です!
つか〇です!

本ページでは,未経験から機械設計エンジニアとして一年間やってきたつか〇が,機械設計の流れについて紹介したいと思います.
まだ一年なので,カバーしきれている範囲は少ないですが,このページを参考に機械設計ってこんな流れで進むんだなー,こんなこともするのかーていうのを知ってもらえたらと思います!
また,タイトルの副題で「エンジニアの仕事の流れ」としては,大筋の流れ,エッセンスはシステムエンジニアなどの他分野のエンジニアについても同様だと思っています.

しかしまあ,機械設計寄りではあるので,ご了承ください.

つか〇の一年間の機械設計成果

まず最初に,ことわっておきたいこととして,私は大学・大学院では,学科,専攻が機械系でした.
しかし,「つか〇がブログ開設までにいたった経緯」で紹介したように,研究ではヒトの知覚・運動について研究しており,機械について触れていなかった期間が3年ほどあります.

ですので,確かに未経験の人からすればアドバンテージはありますが,授業で知識として習ったものの活用しなかった期間が長いので,ほとんどの用語について

「聞いたことあるけど,それなんでしたっけ?」

状態でした.

しかし,逆に言うと,一度触れてきたことで,最低限使う知識をピックアップしやすいのかなとも思ってます.

前置きが長くなりましたが,さっそく私の設計したものを紹介します.

①機器を納めるためのアルミフレーム筐体
②物を固定する治具
③人が行う動作を安全かつ安定に行うための治具

です.

はい.

地味です(笑).

まあまだ一年目ということもあり,電気や制御で動くものはまだ早いということで,材料特性や機構,強度,加工,製図などについて,勉強しながら実践していくという段階でした.
あとは,設計の流れを掴むことも目的でした.

私の職場は,つか〇に対しては実践しながら必要な知識を身に付ける方針でしたので,体系的に学ぶことが少なく,より頻繁に使う知識が浮き彫りになっていた気がします.
(治具のみなのでかなり偏っている可能性は否めませんが...)

以下から,設計の流れと覚えるべき知識について紹介していきます.

機械設計の流れ

上述したようにつか〇は治具設計を行っていたので,量産機や装置ではないので細かくは異なる可能性はあります.
(一点モノや量産機などで少し違うんです...)
ここでは,つか〇が経験した一点モノを中心として説明します.
大まかな流れは一緒かと思っています.

流れとしては以下の通りです.

全部を説明すると長くなるので,前編,後編に分けたいと思います.
本記事では,①依頼・要望・要求 ~ ④構想設計DRまでを説明します.

① 依頼・要求・要望

これは言葉の通り,他部署や商品開発部など顧客からお願い事が来るところです.
機械設計の顧客は社外はもちろん社内の他部署であるときもあります.
社内だと連携は取りやすいですが,社外だとより設計スキルだけでないいろんな知識,スキルが必要になってきます.
おそらくは未経験や初心者の方は,社内案件であったり,社外の案件でも先輩の下で経験を積んだりしていくと思うので,いきなり社外との案件を一人で任させられることは少ないと思います.

ここはまだ多くを経験していないので,あまり語れないですが,ここで抜け漏れなく確認することが大事です.
例えば,

  「○○を作ってほしい」

と,要望が来た場合,「はいわかりました」ではなく.

  ・背景
  ・目的
  ・コンセプト
  ・予算
  ・納期
  ・機能
  ・大きさ
  ・数

などなど,顧客がある程度決めてくることもありますが,こちらが知っておきたいことはあらかじめ準備し,聞いておくことが重要です.
この辺りは,基本的には上記のようなことを聞きますが,その中でも細かいことについては職場の上司などがやはり経験豊富ですので,何を意識しているかを盗む,聞くのが大事です.
どういった機能がよいのか,本当にその機能,機構でよいのか,こっちの機構の方がコストも下げられるのではないかなど提案も必要になります.
ベテランエンジニアは,そもそもその必要があるかの問題の根本から見直します.
いわゆるなぜなぜ分析で問題を深堀していくことですね.

ここは,今後の投稿でも記載しますが,ビジネスマンとしての知識も必要ですし,かなりの経験も必要になるので,いきなり完璧にするというよりかは,設計段階での各知識,スキルを身に付けることで細かく聞き出すことができると思います.
なので,焦らず,場数を踏みながら,その時々で何が問題になっているか,何を求められているかを見極める力を身に付けましょう!

ちなみに,つか〇もここが課題です(笑).
時には検証してその結果を反映したり,後々新しい情報が出てきたりと設計中に問題が出てくることもあります.
そこで対応できる設計スキルも必要ですが,事前に後戻りしないためのヒアリングも必要です.

一朝一夕では身につきませんが,一緒に頑張りましょう!!

②要求仕様の整理・決定

ここでは①で聞き出した要求について,まとめて,顧客と共有し,仕様を決定します.
ここでまとめることで,さらに抜け漏れをなくします.
①でも抜け漏れが無いようにと書きましたが,設計する立場として疑問に思うことが,まとめる段階で必ず出てきます.
そこで,そのままにせず,顧客とすり合わせることが大事です.
ここは社内と社外で少しハードルが異なりますね.
社内だと聞きやすいですが,社外だとビジネスマナーを身に付けないとですね(笑).
(社内でも必要ですが...)

要求仕様を整理出来たら,顧客と合意を取ります.
合意を取れるまで,すり合わせをします.

このあたりの詳しい話は私も経験を積んで,発信したいので,しばらくお待ちください!

ここで要求仕様が決定したら,やっと設計に入ります.

③構想設計

構想設計では,細かい寸法や部品の型番,精度を気にせずに,要求仕様に則り,大体のサイズ感,機能や機構をざっくばらんに設計します.
ポンチ絵(ラフ画,漫画でいうネームみたいなもの)や現在では3DCADでのモデルを使って行われていますね.

ポンチ絵は,手書きで行いますので,①,②での要求仕様の整理でも行うことができ,その場で共有できるのがメリットです.
デメリットとしては,立体の絵の得手不得手,うまくなるのに時間がかかる,変更があると書き直しなどですかね.

3DCADでは,その場でっていうのが少しやりにくいですが,きれいです.
あとは,動作も再現でき,可視化できるので,わかりやすいですね.
デメリットとしては,CADのオペレートスキルが必要,リアルタイムでは追加,編集しにくいなどですかね.

一長一短です.
要求・要望のすり合わせ段階では,ポンチ絵を使い,後のDRには3DCADでのモデルを使用するなどもいいかもしれませんね.

ここで,要求仕様に対して,抜け漏れが無く,機能,機構を設計に反映出来たら次のステップに移ります.

④構想設計DR

DRでは,設計者が考えている機能,機構が合っているか,つまり,認識のすり合わせを行います.
このまま進めていいか,それではだめ,ここはこうしてほしい,ここはこれを追加してほしいなど要望を可視化した状態で確認します.
DRとは何ぞや?と聞こえてきましたが,「Design Review」の略です.

顧客や自部門の先輩エンジニア,上司など関係者を集めて,要求仕様を満たしているかを確認しながら,こんな設計でいいのかの合意を取っていきます.

ここで,新たな課題が出てきたり,要望が出てきたり,そもそも認識が異なると再設計を行い,再度DRを開催します.

また,ここでの概算価格で,コストがほとんど決まります.
価格については,扱う部品の価格や加工品を使用するならどんな加工をするか,それに一体いくらかかるのかを大体でいいですが知っておく必要があります.
ですので,あらかじめ使う部材が決まっているなら,それがどのくらいの価格帯かを調べて把握しておきましょう!
もしコストを聞かれたら多めに見積もっておくことをお勧めします.
大体,はじめのうちは,後々増えていくので...
もし,思ったより安くなっても,顧客にはお得感を与えられるので,気にせず多めに見積もりましょう!
(ほんまはよくないですが...(笑))

こんな感じで,ざっくりと全体感を可視化するのが構想設計です.
ここはなるべくサクッと進めておく方が,詳細設計などでかなり時間を取られるので,立てられたスケジュールより巻くイメージでやった方がいいです.
だからと言って,構想設計~構想設計DRのスケジュールをあらかじめ短く設定するのはお勧めしません.
DRが一発で通らないことが多々あるので,スケジュールは綿密に立てましょう!!
(とはいっても,私もなかなかうまくスケジュール通りにいきませんが...)

結局は,経験によりますが,何かコツみたいなのが見つけられれば発信していきたいので,一緒に頑張りましょう!!

まとめ

本記事では,構想設計DRまでについて説明しました.
まだまだ足りないことはあると思いますが,ざっくり理解できればと思います.
ブログの質の向上もかねて,質問も答えられる範囲なら受け付けますので,コメントくださればと思います.

また,今回紹介した工程の詳細については,下記の書籍で紹介されています.
ぜひ参考にしてください.

次回の記事では,詳細設計から引き渡しまでの最後までとおすすめの本を紹介していきます.

つか〇も課題がたくさんですが,一緒に明るい未来を築いていきましょー!

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