「問題解決ってどうすればいいんだろう…」
「仕事で効率よく問題解決したいのにいつも時間が足りない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
仕事でもプライベートでも、問題解決力は必須のスキル。
しかし、何から学べばいいのか分からず、やみくもに考えてしまいがちです。
この記事では、問題解決の本質を学べる4冊の本を紹介します。論理的な思考力を高め、効率よく解決策を導き出すための実践的な方法が身につきます。
どの本も、コンサルティングファームやMBAでも活用される内容で、実際に多くのビジネスパーソンが成果を上げています。
「問題の本質を見極めるには?」
「どんな順番で考えれば、解決策がスムーズに見つかるのか?」
そんな疑問を解消するために、ぜひ参考にしてみてください!
1. イシューからはじめよ
雑多な諸問題に時間を取られることなく本質的な問題を見極め、解決策を導く力を身につけたいなら、『イシューからはじめよ』が最適です。
解くべき課題(イシュー)を見極めることで、無駄な思考の迷路に陥ることなく、価値のある問題解決ができるようになります。
多くの人は、問題を解決しようとするとき、すぐに「どうやって解決するか?」に意識を向けがちです。
しかし、本当に重要なのは、「そもそも何に答えを出すべきなのか?」を見極めることです。
本書では、この「イシュー(本質的な問い)」を特定する重要性と方法が解説されています。
また、イシューを「見極める」、「答えを出す」ためには、仮説を立てることが必要です。
たとえば、上司から「競合調べといて」と言われたとします。
これに対し、下記のように仮説を立てることで、調べる観点を絞り込むことができ、また答えが合っていようが間違えていようが、それが価値があるものになります。
例:「競合にはどんな会社があるか?」
→「競合とは〇〇で差別化を図ることでシェアを拡大できるのではないか?」(仮説)
このように、単なる情報収集や漠然としたまま問題解決を行うのではなく、仮説を立てることで本質的な問いにフォーカスし、より効果的かつ効率的な問題解決が可能になります。
2. クリティカルシンキング
物事を論理的に考えられるようになりたい、相手にわかりやすく説明したい人には「クリティカルシンキング」を学ぶことをおすすめします。
クリティカルシンキングとは、「批判的思考」と訳され、意味としては「物事を様々な角度(客観的な視点)から捉え、適切な根拠や基準に基づいて結論を導く思考」です。
本書は、MBA(経営学修士)で知られるグロービスから出版されている本で、その内容は折り紙付きです。
本書を読むことで、問題解決の基礎となる
・帰納法・演繹法(論理的に物事を考える)
・因果関係(原因と結果を見極める)
・問題解決における構造化(問題の所在を分析し、効率よく解決へ導く)
・コミュニケーションに効果的なピラミッドストラクチャー(わかりやすい伝え方)
について網羅的に学べます。
例えば、「〇〇事業部の利益が減少している」という問題に対して、「利益=売上ー費用」に分解していくと、
1. 売上が減っている?
- 客数 が減っている(新規顧客の減少、リピーターの減少)
- 客単価 が下がっている(購入点数の減少、価格競争による単価低下)
2. 費用が増えている?
- 変動費の増加(仕入れ価格の上昇、物流コストの増加)
- 固定費の増加(人件費の増加、設備投資の増加、広告費の増加)
このように、 利益の構造を分解することで、本当の問題が「売上低下」なのか「コスト増加」なのかを明確にできます。
それにより、 「マーケティングの強化」「価格戦略の見直し」「仕入れや物流の改善」「固定費の削減」など、適切な解決策を選択できるようになります。
このようにクリティカルシンキングを身につけることで、 仕事の問題解決力が段違いに上がります。
MBA取得者を1万人輩出したグロービスMBAの知見を詰め込んだこの一冊は、 「考える力」を鍛えたいすべての人にとって必読の書 です。
3. 仮説思考
問題解決のスピードを速くしたい人は、「仮説思考」がおすすめです。
問題解決に取りかかる際、あれやこれやと網羅的に情報収集し、時間がなくなることはありませんか?
本書では、コンサルBIG3のボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に所属していた経歴を持つ著者による「仮の答えを出してから分析し、証明する」方法が紹介されています。
例えば、「メーカーの業績不振」という問題に対して、ダメな例としては、「あらゆる問題を網羅的にあり出す」ことです(下図左)。
これは、すべての問題点について解決する時間、リソースがないため、いくら時間があっても足りません。
また、すべての問題の効果が大きそうなところから取り組んでもそれが「絶対」の答えではないため、間違えた場合の軌道修正も難しくなります。
一方で、良い例としては、「仮説思考を用いて、ストーリーを考える」ことから始めます(下図右)。
これにより、情報が少ない段階から取り掛かることができ、間違った仮説を立てた場合にもすぐに軌道修正も速く行えます。

この仮説思考を身につけることにより、スピーディーな問題解決に加えて、組織としても仮説による目的・目標に向けて動くことができるので、その効用は実に大きいです。
また、この本で「仮説思考」を身につけることは、「イシューからはじめよ」での仮説立てにも繋がります。併せて、読むことをおすすめします。
4. 論点思考
そもそも解くべき問題を見極め、仕事で成果を出したい方には「論点思考」がおすすめです。
本書は、前項「仮説思考」の著者であり、そもそも何の問題(=論点)を解くのかにフォーカスを当てて紹介しています。
正しい論点を設定できないことには、答えを出しても何の解決にもなりません。
そうならないための正しい論点の置き方を解説してくれます。
たとえば、「企業の利益が低下している」という問題があったとしましょう。
悪い例として、
上司:「利益が落ちている!コストを削減しろ!」
→ すぐに経費削減やリストラを実行するが、利益は回復しない。
このアプローチでは、 上司からの「利益低下=コストが高いから」 という前提を疑わずに、安易にコストカットに走ってしまっています。
しかし、 利益が減る原因は「コスト増」だけとは限りません。
本当に解くべき論点を見極めなければ、場当たり的な対応に終始してしまいます。
一方で、良い例としては、まず、上司からの投げかけがあったら、すぐに取り掛かる前に、「利益低下」の本質的な問題を問い直します。
今回のケースの場合は、そもそも利益が低下していることが「問題」なのかを問いてみましょう。
【Step1】利益低下の背景を疑う
「利益が低下している」= 悪いことなのか?を疑いましょう。
例えば、以下のようなケースに対しては、それぞれ考えてみると、

となります。
このように、 一概に利益低下=悪とは限りません。
では、次に 本当に解決すべき課題は何か? を考えてみましょう。
【Step2】本当に解決すべき課題を特定する
「利益低下が問題」と思っていたが、実は根本的な課題は下記に示すように別にあるかもしれません。
例①:そもそも事業の成長戦略がないのが問題では?
➡ もし「利益を短期的に上げること」ばかり考えていると、新しい事業への投資ができず、 長期的な成長が止まりますよね。
この場合、「利益が低下している」ではなく、「長期的な成長を見越した新規事業への投資が適切に行われているか?」が論点になります。
例②:市場全体の構造が変化しているのでは?
➡ 例えば、 業界全体が縮小している場合、利益低下は避けられません。
一方で、それなのにコスト削減ばかり考えると、 事業の衰退を早めることになります。
こういった際は、「利益を増やす方法」ではなく、「そもそも成長市場にいるのか?」が論点になるでしょう。
例③:利益よりもブランド価値を高めるべきでは?
➡ 例えば、高級ブランドが 「利益を優先して安売りを始めた」 としたら、短期的には利益が回復するかもしれませんが、長期的にはブランド価値が毀損します。
こういった際は、「利益低下の回復」ではなく、「ブランド価値の維持・向上」が論点になるでしょう。
以上、上記は一例で千差万別ですが、このように「何が本当の問題となっているか」その真因を疑って疑って疑うことで、正しい「論点」を設定することができます。
論点思考を身につけると、 目の前の問題に飛びつかず、より本質的な課題にアプローチできます。
この思考法を活用し、 短期的な対応ではなく、長期的な成長につながる意思決定 を行いましょう。
まとめ
今回は、「問題解決力を高める本4選」を紹介しました。
どの本も「問題解決の基礎」となっています。
コンサルタントの方が書かれたものが多いですが、全ビジネスマーソン必須の内容となっていますので、気になる本があればぜひ手に取って読んでみてください。
また、「仮説思考」「論点思考」は「イシューからはじめよ」にある「イシューを見極める」や「仮説を立てる」際をさらに強化する内容になっています。
併せて読むことで、より問題解決の効率と質を高めてくれるでしょう。
問題解決力を身につけて、圧倒的に仕事ができるビジネスパーソンになりましょう!
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