どうも!僕です!
つか〇です!
板金の選定について,最初のうちは何を選べばいいかわからないという方多いと思います!
「厚さは?材質は?強度は?硬さは?表面粗さは?...」
など,結構多くのことを踏まえたうえで板金は選定しなければなりません.
大変です...
本記事では,そんな板金の選定について,材質に焦点を当て,そのヒントを紹介したいと思います.
板金とは?
まず,板金とは,その名の通り「板の金属」です.
よく使われる板金の材質としては,アルミ,鉄,ステンレスとかですね.
用途は,様々です!
「いや,ざっくり過ぎるわ!」
って,ツッコミが入りましたね(笑).
具体的に言うと,基本は何かを載せるための板だったり,動きのある部品同士を連結させたり,普通に部品だったりします.
普通に部品って!
板金という名前ですが,misumiの加工サービスMeviyなどでは,外形寸法などが決まった寸法以内なら板金として扱ってもらえます.
「扱ってもらえる」としたのは,板金加工が安いからです.
なぜかっていうと,やはり加工のしやすさですかね.
近年,マシニングセンタなどの工作機械の発展で立体的でかなり無茶な設計でも切削加工でできるようになってきましたが,依然,それらを用いた加工は高コストです.
それに比べて,板金加工は,歴史が長いですし,技術の発展も相まって加工がしやすく,かなり低コストです.
実際,厚みがない分,穴をあけたり,切りかけを作ったりっていうのは平面的な加工で済みますし,折り曲げも容易です.
板金はどうやら加工がしやすいようなんですよ.
ちなみに,コストと加工法に関して,詳しく書かれている本はこちらです.
この本は,初心者にはぜひ押さえていただきたい内容ばかりが詰まっています.
加工知識は,設計,製図するうえで欠かせません.
知っているだけで,コストがかなり抑えられます.
話を板金に戻すと,この本でも,「最初は板金でできるかを考えろ」と書かれています.
そのくらい安いです.
またまたちなみに,この本は量産向けの話が多く,一点モノばかり製作しているつか〇には,関係ないかなーと思っていましたが,どの機械設計者でもダイレクトに関わってくる話ばかりなので,読んどいて得しかないです.
材質の選定
ここで板金の材質の選定について,説明したいと思います.
材質は板金のみに関わらず,様々なとこで注意しないといけません.
それをすべて述べると,えらいことになるので,ここでは板金での注意点について紹介します.
特によく使う,
・アルミ
・鉄鋼
・ステンレス
について,説明します.
アルミ
アルミはとにかく,軽いです.
鉄の1/3くらいの比重であり,約2.7g/cm3です.
「は?なんやねん比重って」
ってなりますよね.
比重は「体積1cm3あたりの質量」ですね.
なので,この比重の値に設計中の部材の体積を掛けると,その部材の重さを計算できます.
以下のサイズでのアルミの重さを計算してみましょう!
まず,この板金の体積は,
300 × 500 × 2 = 300,000 mm3
です.
勘のいい人は気づいたと思うのですが,ここでの単位は「mm3」です.
なぜ,「mm3」かというと,設計の世界では,寸法を「mm」で扱います.
なので,つか〇は「mm」で考えています.
まあ,ここで「cm」に変換してもOKです!
「cm」はそのまま比重を掛ければ重さが求まります.
ですが,基本は「mm」での計算ですので,そちらを覚えましょう!
以下では,「mm」での計算方法を記しますので,参考にしてください.
2.7 × 300,000 × 10-3 = 810 g
比重 × 体積 × 10-3
となります.
「10-3」を掛けるのは,単位をそろえるためです.
1 cm = 10 mm
より,この両辺を3乗すると,
1 cm3 = 103 mm3
ですね.
こうやって,大体の重さを手計算で行います.
ここは覚えておくといいでしょう!
話を板金に戻しますと,アルミは軽く,柔らかいです.
なので,削りやすく,折り曲げも容易です.
一方で,柔らかいので鉄に比べると強度は劣ります.
鉄で1mmならアルミで3mmは必要とかそのくらいのレベルで厚くしないと強度が出ません.
こちらは比重と逆の計算で,鉄と比べて3倍くらい必要です.
(っていっても,厚さにはよりますが,1~2mmとかでも人の力くらいでは簡単には曲がらないです.)
ですので,いろいろ加工して,強度の心配があまりないようなときに用います.
また,軽いので,わざと厚みを出して,タップを切ることもあります.
タップを切るためにアルミにして厚くすることも経験上ありました.
(タップとは?)
まとめると,
・軽くしたい
・強度はそんなにいらない
・タップを空けたい
ときには,アルミかなと思ってます.
鉄鋼
次は,鉄鋼ですね.
鉄鋼は,SPCCやSPHC,S45Cなどなど,処理の仕方によって様々な特徴,性質をもちます.
鉄だけだと100%鉄,鋼は鉄に炭素を含ませたものになるそうです.
炭素量によって,硬さや粘りが変わるらしいです.
正直言って,つか〇は鉄鋼に関して,細かくは覚えていません!!
都度,調べている感じで,大体S45Cを使っちゃっています.
(本当はよくないですよ!)
そういった細かいことは都度調べたり,聞いたり,つか〇のこのブログでも後々紹介できればいいかなと思ってます.
今回は,ざっくり鉄鋼を使うときの選定基準について,紹介していきたいと思います.
まず,アルミより硬いです.
「アルミ」の項目で紹介したように,どうしても薄くしたい,スペーサーとして薄板を使うけど,強度が欲しいなどの時は鉄鋼を使うのがいいかなと考えています.
また,値段が安いです.
(流通量,加工の容易さなどが理由なんですかね?)
鉄鋼のメリットとしてはこう言った感じで,硬い,薄くしたい,安く抑えたいときに使われます.
一方で,デメリットとして,アルミより重いことです.
比重は7.85g/cm3 です.
アルミの3倍弱になりますね.
なので,前項の例でいうと,
7.85 × 300,000 × 10-3 = 2,355 g
比重 × 体積 × 10-3
重いですね.
同じサイズなのに,かたや810g,かたや2.4kgと大きく異なります.
ここでは大きなサイズを例にしているので,大きく異なりますが,まあこんな感じで違います.
(雑なまとめですね(笑).)
あとは,注意事項として鉄は錆び安いです.
ですので,メッキ処理を必須にしています.
基本的につか〇は,無電解ニッケルメッキですね.
色とか,光の反射を抑えたいときは,三価クロメートメッキの黒を使ったりしますね.
ざっと,こんな感じで鉄鋼にするかーって決めてから,細かい材質などを決めましょう!!
ステンレス
次は,
「スッテンレス,ツルツル,スッテーンレースー」
で,おなじみのステンレスですね.
なんかのCMですね.
ステンレスは,鉄鋼の一種ですが,よく使い分けたり,聞いたりすると思うので,鉄鋼と分けて紹介します.
まず,硬いです.
鉄鋼よりかなり硬いです.
どのくらい硬いかというと,つか〇的に自分で加工したくないくらい硬いです.
理由としては,加工機(フライスやボール盤,バンドソー)などの設定をミスったら,加工機の刃がいとも簡単にいかれてしまうからですね.
鉄も注意は必要ですが,それより断然硬いです.
もう一個の特徴としては,さびにくいことです.
よくある鉄鋼と異なり,傷が入ってもさびにくいです.
キッチン回りなどもステンレスでできていますね.
ですが,絶対に錆びないというわけではないので,それだけは覚えておきましょう.
で,上述したように鉄鋼の一種なので,アルミと比べて重いです.
比重はステンレスの中でも細かい材質によって異なりますが,7.7 ~ 7.9 g/cm3 くらいです.
先ほどの例のサイズだと,重さは鉄鋼とほぼ同じになります.
デメリットとしては,高コストです.
つか〇が加工を恐れていることから,硬いが故,加工に時間もコストもかかります.
硬いのを削ろうとすると,時間がかかるのは当然ですよね.
なので,
「ここは硬くないとダメ.強度が必要!」
だったり,
「錆びないのがいい!!」
というときにステンレスを選定する感じですかね.
まとめ
今回は,アルミ,鉄鋼,ステンレスの選定基準について紹介しました!
コスト,加工のしやすさ,強度など考えないといけないことはたくさんありますが,一つ一つそれらの要素をつぶしていくしかないと思ってます.
これらの知識は,板金のみならず,応用が効くと思うので,まずはこの記事でふるいを掛けてから,細かく決めていくといいと思います!
一緒に安全でコストが安い装置を作っていきましょう!!
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